天然水とミネラルウォーターは何が違うのか

ラベルのない無地のボトル3本が並び、背景に地層と地下水を表す帯が描かれたイラスト

売り場には「天然水」「ナチュラルミネラルウォーター」「ボトルドウォーター」と、似ているようで違う言葉が並んでいます。
これらは国のガイドラインで分類が決まっています。
分けているのは、水源ではなく処理の仕方です。

先に結論です。

  • 容器入りの飲用水は4つに分類されます。
    ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーターです。
  • 違いは「どこまで手を加えてよいか」です。
    手を加えないものほど前のほうの分類になります。
  • この4つに「天然水」という品名はありません。
    商品名として広く使われている言葉です。

4つの分類

分類品目名原水処理方法
ナチュラル
ウォーター
ナチュラルウォーター特定水源から採取した地下水を原水とするもの ろ過、沈殿及び加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行わないもの
ナチュラルミネラルウォーター 特定水源より採取された地下水(地表から浸透し地下を移動中又は滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水)を原水としたもの
ミネラル
ウォーター
ミネラルウォーターナチュラルミネラルウォーターの原水と同じもの ろ過、沈殿及び加熱殺菌以外に、ミネラルの調整、ばっ気、複数の原水の混合等を行ったもの
ボトルド
ウォーター
飲用水及びボトルドウォーター上記以外のもの処理方法の限定はない

出典:林野庁「ミネラルウォーターとは?」。
同資料が引いている元は「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」(平成2年3月30日付け食品流通局長通達)です。
なお特定水源とは、同資料によれば「水質、水量において安定した地下水の供給が可能な単独水源」をいいます。

読み解き方

上から下へ行くほど、手を加えてよい範囲が広がります。

  • ナチュラルウォーターナチュラルミネラルウォーターは、ろ過・沈殿・加熱殺菌しかしていません。
    地下水をほぼそのまま詰めたものです
  • この2つの違いは原水です。
    地層のミネラルが溶け込んだ地下水を使っているものが「ナチュラルミネラルウォーター」になります
  • ミネラルウォーターは原水こそ同じですが、ミネラルの調整や、複数の水源の水を混ぜることが認められています。
    味や成分を一定に保つためです
  • ボトルドウォーターは上記以外すべてで、処理方法の限定がありません

林野庁の同じ資料によれば、品目別ではナチュラルミネラルウォーターの生産量が約9割を占めています(同資料の注記では、出典は日本ミネラルウォーター協会の調査とされています)。

では「天然水」とは

上の4分類に「天然水」はありません。
商品名としてよく使われる言葉で、実際に手に取ってラベルの品名欄を見ると、「ナチュラルミネラルウォーター」などと書かれていることが多いはずです。
商品名と、品名としての分類は別のものです。

市販の水は、どこから採られているのか

容器入りの水の多くは、特定の水源から採られた地下水です。
林野庁の資料には、「水源の森百選」を含む流域で採水されている製品の例が挙げられています。
森と水源が結びついていることを示すための例です。

品名採水地水源の森百選名当サイトの収録
さっぽろの水北海道札幌市南区定山渓奥定山渓水源の森北海道 84
月山自然水山形県西村山郡西川町月山行人清水の森山形県 99
弥生の舞山梨県大月市真木温泉小金沢水源の森山梨県 17
富士のお山の隠し水静岡県富士宮市下条天子の森静岡県 94
立山の天然水富山県中新川郡立山町東大森ありみね富山県 72
京都鞍馬和水京都府京都市左京区鞍馬山鞍馬山・貴船山京都府 22
龍神の自然水和歌山県田辺市龍神村護摩壇山自然の森和歌山県 23
智頭の森水鳥取県八頭郡智頭町芦津芦津水辺の森鳥取県 42
四万十の水高知県高岡郡津野町船戸四万十川源流の森高知県 18
屋久島縄文水鹿児島県屋久島町宮之浦宮之浦岳国有林鹿児島県 56

出典:林野庁「ミネラルウォーターとは?」。
右端の件数は当サイトが収録しているその都道府県の湧水・名水の数で、製品との対応を示すものではありません。
同じ地域に湧水が多いという以上のことは言えませんので、「この製品はこの湧水から」という読み方はしないでください。

湧き水とボトルの水は、どちらも地下水

売られている水も、湧き出している水も、もとは同じ地下水です。
違うのは、誰かが管理して容器に詰めたかどうかです。

容器入りの水は、食品衛生法にもとづく規格基準のもとで作られ、加熱殺菌などの処理を経て売られています。
一方、湧き水にはその工程がありません。
当サイトが全国3,022か所を調べたところ、飲用について公的機関が保証しているものはごく一部でした。
詳しくは湧き水は飲めるのかをご覧ください。

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