大阪府岸和田市
「作才共同洗場」

概要

作才共同洗場(ざくざいきょうどうあらいば)は、大阪府岸和田市作才町にある歴史的な湧水施設です。
明治時代に干ばつに苦しんだ地域住民のために、湧き出た清水を利用して造られたもので、地域の人々の生活水や洗濯場として長年親しまれてきました。
しかし、近年は水が出なくなり、寂しく建物だけが残されています。
この湧水は、和泉式部にまつわる伝説のある恋の淵や蛙鳴かずのどんび淵などと同じ旧津田川伏流水の東端にあたり、湧水地帯の一部を形成しています。

水質

作才共同洗場の水質は、昭和50年頃に町会より保健所に水質検査を依頼したところ、「大腸菌」が検出され、「飲料不可」と掲示されました。
その後、平成10年頃に近くの「こも池」が新道建設のために埋め立てられた影響か、水が殆ど出なくなりました。現在では、水質検査や保全活動は行われていません。

歴史・伝承

作才共同洗場の歴史は、明治18年(1886年)にさかのぼります。
当時、干ばつによって稲作が困難になった地域住民は、土瓶で稲の株に水をやっていました。そんな中、現在の岸和田市作才町43(唐治谷宅付近)に井戸を掘ったところ、清水が湧き出しました。
この井戸から「3寸」土管で村内一部家庭に導水し、また「洗い場」を造りました。
戦後は上水道の敷設に伴い飲料かせんたく用と変化しました。昭和25年頃道路幅拡張に伴い、地下水の導水管を敷設しました。

作才共同洗場には、夜泣石という目印があります。
この石は、昔、この地で夜泣きする子供が多かったとき、親が子供を連れてこの石に触れさせると夜泣きが治まったという言い伝えがあります。
また、この石は恋愛成就や子宝にも効果があるとされています。

周囲の環境

作才共同洗場は、岸和田市作才町の住宅街にあります。
周囲は静かで落ち着いた雰囲気ですが、湧水施設自体は荒れ果てており、見る影もありません。
建物は木造で屋根が傾いており、壁や窓も傷んでいます。中に入ることはできませんが、外から見ると水道管や洗濯板などが残されています。
かつては地域の人の井戸端会議をする交流の場でもあったということですが、今はその面影もありません。

クチコミ

作才共同洗場に関するクチコミは、以下のようなものがあります。

• この洗い場は、昔は水が出ていたんですよ。私も子供の頃はよく遊びに来ました。でも、だんだん水が出なくなって、今はこんなになってしまいました。残念ですね。(地元住民)
• この洗い場は、和泉式部の恋の淵や蛙鳴かずのどんび淵と同じ水源だと聞きました。和泉式部に興味があるので、見に来ましたが、水が出ていなくてガッカリしました。せめて水が出ていれば、少しはロマンチックな気分になれたかもしれません。(観光客)
• この洗い場は、歴史的にも貴重なものだと思います。干ばつに苦しんだ人々の生活を支えた水源であり、地域の人々の交流の場でもあったのですから。もっと保存や活用をしてほしいですね。(歴史ファン)

近隣の有名な場所

作才共同洗場の近隣(約5km位)に有名な場所としては、以下のようなものがあります。

• 岸和田城:大阪府指定史跡であり、江戸時代初期に築かれた城郭です。現在は岸和田市立歴史博物館として公開されており、歴史や文化を学ぶことができます。
• 和泉式部記念館:平安時代後期の女流作家である和泉式部が生まれたとされる地域に建てられた記念館です。和泉式部の生涯や作品を紹介する展示や、和泉式部にまつわる伝説や湧水を巡るコースなどがあります。
• 蛙鳴かずのどんび淵:和泉式部が恋人と別れた後、この淵で涙を流したという伝説がある淵です。淵の周辺は自然豊かで、四季折々の風景が楽しめます。また、淵の水は美味しいとされており、地元の人々に親しまれています。