新潟県村上市
「桃川のおたきさま」

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概要

「桃川のおたきさま」は、新潟県村上市桃川にある滝で、落差は5mほどあり、男滝と女滝の2段に分かれています。
古くから水の神が宿る場所として崇められてきた神聖な場所です。
滝の手前には「多伎神社」があり、平安時代に編纂された『延喜式神名帳』に記載される「磐船郡八座」の一つとされる歴史ある神社です。

国道290号沿いに駐車場があり、そこから滝を見ることができます。

2018年には「新潟県の名水」にも選定されました。

水質

周辺の山々から集まった雨水や雪解け水が地下を通って滝になっていると考えられています。そのため、水は常に清らかで冷たく、飲用や料理にも適しています。
滝壺では鮎やヤマメなどの魚も見られます。

歴史・伝承

桃川のおたきさまは、古来より水の神が宿る場所として信仰されてきました。
滝の手前にある多伎神社は、ご祭神を「阿多加夜努志多伎吉比売命(あたかぐぬしたぎひめのみこと)」と伝えています。
この神様は稲作や農業の守護神であり、豊穣や子孫繁栄をもたらすとされています。
多伎神社は、平安時代に編纂された『延喜式神名帳』に記載される「磐船郡八座」の一つであり、式内社(国家的な格式を持つ神社)に相当するという伝承があります。
江戸時代には、延喜式内社桃川神社(現在の桃川八幡宮)に神主として奉仕した佐藤辰左衛門家によって文書化されました。
明治時代までは二間四方の社殿があったという言い伝えもありますが、現在は小さなコンクリート製の祠になっています。
滝の右側の崖には大きな岩屋があり、かつては多伎神社の祠があったという説や、中世に流行した山岳修験道に関係した遺跡であるという説もあります。
桃川の人々は、この滝と多伎神社を畏敬と親しみを込めて「おたきさま」と呼び、水の恵みに感謝してきました。

周囲の環境

「桃川のおたきさま」は、村上市の南西部に位置する桃川地区にあります。
桃川地区は、荒川とその支流である三面川に囲まれた山間の地域で、人口約2000人の小さな集落です。
「桃川のおたきさま」は、その桃川地区の中心部から少し離れた場所にあり、国道290号から分かれた細い山道を進んだ先にあります。
周辺は森林や田畑が広がり、自然に溶け込んだ風景が見られ、滝の上流には遊歩道もあります。

周辺の観光スポットなどの有名な場所

桃川のおたきさまの周辺には、以下のような観光スポットなどの有名な場所があります。

• 平林不動滝 : 国指定史跡の平林城跡のある神林地区・要害山中にある滝で、要害山には至るところに清水が湧出しています。不動明王を祀る不動堂があり、毎年8月18日には火渡り祭りが行われます。
• 藤基神社 : 総欅造りで日光東照宮と同じ権現造りの社殿を持つ神社で、嘉永2年(1849年)に当時の工匠がその技を競ったという伝説があります。境内には国指定重要文化財の銅鐘や県指定有形文化財の狛犬などがあります。
• 三面川中州公園 : 国の「ふるさとの川モデル事業」で三面川の河川敷を利用して造られた緑豊かな公園です。多目的広場や遊具、花壇などがあり、家族連れやカップルで賑わいます。春には桜並木が美しく咲き誇ります。
• 三面川の居繰網漁 : 三面川では毎年10月から11月にかけて居繰網漁(いぐりあみりょう)という伝統的な漁法で鮭漁が行われます。居繰網漁とは、河口から遡上してくる鮭を捕らえるために、河岸から大きな網を引っ張って渡す漁法です。漁師たちの息づかいや掛け声、鮭が跳ねる様子などを見学することができます。

クチコミ

• 滝は思ったより小さかったけど、水はとても冷たくて美味しかった。ペットボトルに汲んで持ち帰った。
• 滝の近くにある多伎神社は小さくて目立たないけど、歴史があって神秘的だった。滝の音が聞こえて癒された。
• 滝の上流にある遊歩道を歩いてみたら、森の中に小さな滝や池がいくつもあって、自然を感じられた。虫除けスプレーが必要かも。
• 滝の駐車場から国道290号に戻るときに、道が細くてカーブが多くて運転に気をつけないといけなかった。対向車とすれ違うのも少し大変。
• 滝の近くにはお店やトイレがなかったので事前に用意しておいた方がいいと思った。自販機もなかった。